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天体感測のススメ

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宇宙を感じる生活

夜空を見上げると星が輝いています。

どの星も点にしか光って見えませんが、
実は「自ら光っている星」と「光を反射して光って見える星」の2種類がある、
ということは聞いたことがあると思います。
太陽は自ら光っていて恒星といい、惑星は自ら光らない、というのを学校でも習いますからね。
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知識として知ってても惑星を照らしているのはホントに太陽の光なのか?と疑問に思ったことはありませんか?

そこで!
「惑星のように自ら光らない星を照らしているのは太陽光なのか?」を確認してみることにしました(^^)

どうやって確認するのか?
照らされた光を反射する訳ですから、
「照らされた光に無かった色は無いまま」ということになります。

つまりこういう作戦で確認ができそうです。
「自ら光らない天体が太陽光を反射しているなら、その光には太陽光と同じ特徴が見られるはずだ」

光の特徴を見るには、光を基本的な性質に分解してみることができる「分光器」というものを使います。
分解した特徴のことを、光の「スペクトル」と言います。
「音」でいうと音楽を高音から低音の成分に分解して並べたようなイメージと同じで、
「光」の場合は「青から赤の虹色」になります。

太陽光には次のような特徴があります。
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[1]をご覧ください。
太陽の表面温度は約6000℃あり、その”熱”だけで、青から赤まで滑らかにグラデーションになっているスペクトルが発生します。
白熱電球もフィラメントが2500℃ぐらいになることで熱だけで光っているんですよ。それと原理的には同じです。
次に[2]をご覧ください。
太陽の表面には高温のガスが取り巻いています。熱で発生した光はそのガスによって特有の光の色が吸収され暗くなります。
「吸収線」と呼ばれます。
ここがポイントです!太陽という高温の環境で取り巻くガスによって、特徴的な吸収線を持つスペクトルになります。
その光が地球にも届くので、太陽を観測すると太陽のガスについて知ることができます。

では、その光を反射した天体はどうなるか?
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[3]のように、太陽光が惑星や衛星に当たり反射するので、地球から観測すると同じ特徴が見られるはず・・という訳です。(※注は下記の補足参照)

さあ、観測です!
今回、観測してみたのは木星の衛星4つです。!衛星はイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという名前で、4つでガリレオ衛星と呼ばれています。
惑星でも良かったのですが、ガリレオ衛星みたいなものでも本当に分かるのか?ということでチャレンジしてみました。
StarAnalyzer100という分光器を通して実際に撮影したものがこちらです。
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「直接光」と書かれた元々の光に対して、右に「スペクトル」が一緒に写っています。
ガリレオ衛星の光を十分に集めたため木星は眩しすぎて飽和しています。
木星の光が広がっているので、画像処理で背景の光と差を取って衛星のみの光を取りだし、
視覚的に吸収線が見えやすいようにスペクトルの縦方向の幅を伸ばして並べ、完成しました。
こちらがガリレオ衛星のスペクトルです!
どうでしょう!!
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引いて見ると、太陽にある吸収線と同じ色(位置)に、うっすらとではありますが線が見えませんか?
確かに太陽光が当たってます!
木星までの距離は太陽と地球の間の約5倍もあります。
そんな遠くにある、しかも月かそれより大きいぐらいの天体に太陽の光が届いて、
反射して戻ってきた光を見ているというのは・・すごいですよね。

ちなみに他の星のもとではどうなるか?
オリオン座の1等星ベテルギウスは自ら光っている星です。スペクトルはというと・・
このようになります。
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太陽とだいぶ違いますね。これは太陽よりは温度が低いためガスによって吸収される成分が異なるからです。
もしこの星に惑星や衛星があって観測したとすると、この星の光の特徴を持つことになります。

私たち太陽系の天体の光には太陽の光が刻まれているのだあと思うと・・
太陽という恒星が与えている影響の大きさを改めて感じてしまいました!



<補足>
※注 ここでは説明を簡単にするために、太陽光は全てそのまま反射するかのように書きましたが、実際は惑星や衛星が持つガスによって異なる吸収線がさらに追加されたり、火星の表面のように青付近が少し吸収され比較的に赤が反射することもあります。それでも太陽の光の吸収線は残ります。

ちなみに図の中に書かれた吸収線はそれぞれガスの種類(元素)を表し、
「Hβ」水素(複数あるα,β,γ・・のうちのβ)、「Mg」マグネシウム、「Fe」鉄、「Na」ナトリウムになります。




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# by star-feel | 2016-12-18 23:46 | 天体感測(実測編) | Comments(0)
みなさんは人類が”最も遠く”に人工物を着陸させた天体って何か、ご存知ですか?

答えは「土星の衛星タイタン」です! え、そんなとこ行ってた?って思いました?
アポロの行った月でも、はやぶさの行ったイトカワでも、海王星にも行ったボイジャーでもないんです。

これからご覧いただくのは「土星の衛星タイタン」に着陸した小型探査機「ホイヘンス」の画像です。

これは探査機が降下中にタイタン上空2kmから撮影したパノラマ画像を360°画像にしてみたものです。
こちらをクリック→タイタン360°画像 視点を動かしたりズームしたりしてご覧いただけます。
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画像NASA image Libraryより (パノラマ画像を360°画像に加工、空と真下は画像がなく適当にベタで塗りつぶしました。360°画像再生は普段お世話になっている360°カメラRICOH THETAのサイトを利用させていただきました。)
どうでしょう?CGではなく実際に観測された画像ですよ!スカイダイビングをしているみたいですよね。地球にある河口のような地形が広がっています。

ちなみに着陸したのは2005年です。
そんなびっくりなニュースがあったのを知らずに生活していた方も多いのではないでしょうか(^^) 日本が打ち上げた探査機だったらもっと知られていると思うのですが。

どんな着陸だったか簡単に紹介しましょう。

ホイヘンスはカッシーニという親機に搭載されて土星に着きました(2004年)
写真は土星のアップとタイタン(左下)。
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土星よりだいぶ小さいですが、タイタン(直径5200km)は月(3500km)より大きいです。大気があって輪郭がぼやっとしています。
もし普段、私たちの見ている月がタイタンだったら?と想像してみてください。1.5倍ぐらいの大きさのぼやっとした天体が浮かんでいると思うと面白いですね。

さて、そのタイタンに小型機「ホイヘンス」が投入されました。2005年1月14日のこと。
こちらは着陸の様子を描いたイラストです。
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大気の抵抗があるのでパラシュートを使って降りることができます。大気のない月では無理な方法です。

このとき上空から時々撮影したパノラマ写真がこちら。
上から上空150km、15km、2km、400mの順に並んでいます。
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ただ、このパノラマ画像を見ても今一つ実感が湧かないですよね。
そこで、最初にご覧いただいた360°画像はこの中の2km上空の画像を切りとり、360°画像として見えるように変換してみました。
再度360°画像をご覧いただくと、パノラマ画像より空間が認識しやすくて、自分がタイタン上空を飛んでいる気になりませんか?(^^)

そしてついに着陸!丸い石が目の前に転がっています。遠くの石まで写っていますね。この画像は人類にとってとても貴重な写真だと思います。
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最後に着陸までの様子を実際の画像を上手く繋げて作成された動画がYouTubeにありました。分かり易く必見です。(タイタンに降りるのは動画1分ぐらいから。着陸のアップは撮影された画像から作成されたCGです)

ちなみに土星を天体望遠鏡で観察するとタイタンは結構簡単に見えています。8等級あります。意外に土星から遠いので背景の星だと思ってしまう方も多いです。
天体観察会で土星を見る機会がありましたら「タイタンはどれですか?」と聞いてみたり天文アプリで調べてみると良いでしょう。

ぜひ実際のタイタンを観察しながら、遥か彼方の天体の様子を想像してみてください。

※画像はNASA image Libraryより






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# by star-feel | 2016-09-19 20:44 | 天体感測 | Comments(0)
ここ最近は自作もの紹介が続いていますが今回も。

こちらは5年前に作った【地球透視器】です。
半球で地図の部分が凹んでいます。世界地図も逆さまで変な感じ。
さてどう使うでしょう?
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これは、自分の居るところから、地球上の任意の地点のある方向を指すことができる、装置です。

例えば、みなさんは今、自分のいるところから南極の方向を指せますか?

真南の方角でしょ?
いえいえ、地中が透明になったとして、南極の見える方向のことですよ(^^)
その方向に真っ直ぐまっすぐずーっと穴を掘っていったら到着する場所とも言えますね。
だから地面を指すことになります。

地球上の他の地域も同様に考えてみてください。
北極は? アメリカは? 真下にあるのはどこ?
つまり地中を透視するイメージはこんな感じになります。
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さて最初の画像の【地球透過器】の使い方です。
まず東西南北の方位を合わせます。
次に、方向を知りたい地点を【地球透過器】上で見つけます。
すると「半球の球の中心点」から「いま方向を知りたい地点」に向けて延長した方向が、
実際に自分の位置からその地点の方向と分かります。

さすがに実物を見ていただかないと・・何が面白いの?って感じで伝わらないかも(笑)

そこで360°画像を作ってみました!(^^)
リコーの全球カメラTHETA(シータ)で撮影した画像に地面の下の画像を合成したものです。
こちらをクリック→【地球透視器】360°画像 するとストリートビューのように360°動かしてご覧いただけます。
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RICOH THETA Sにて撮影 伊勢原市立子ども科学館前にて

地形が逆さまになっているので世界地図と見比べながらご覧いただくと良いでしょう。

南極は地平線から伏角60°ぐらいで意外と真下じゃないんですね。
オーストラリアはもっと意外で伏角30°ぐらいです。
真下にあるのは南アメリカのチリ辺りだというのがわかります。
インドは真東にあります。世界地図を見ていると日本より南にある感覚ですが、日本からは真東に飛べば着くのですね。
韓国はほぼ水平方向に広く広がっています。
神奈川県を視点に作っていますが日本であれば大体同じです。

この【地球透視器】を見ていて、感覚的に気付かされたことがありました。

日本から見れば、南極の方向も、アメリカの方向も、インドの方向も、いつも同じ方向だということ。
地球は自転していて、太陽や月や星も動いているのに、これって不思議な感覚です。
地球が足元にくっ付いているような感じがします。

そして、自分の生活圏の見える範囲だけでなく、
「地中の向こう側の人々の生活を地球全体で感じる」のです。

この「地中を通した一体感」は、
日々ニュースなどで世界を知る平面的な繋がりの感覚とはちょっと違う気がします。
ぜひ実際に楽しんでいただきたいものです(^^)


※この【地球透視器】は、どうしても欲しいけれど、どこにも売っていないなら自分で作るしかない、と思って色々作り始めた最初の頃の作品です。地図の変換をプログラムして模型として作る流れが出来上がった頃です。懐かしいです。






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# by star-feel | 2016-07-16 23:46 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
伊勢原市立子ども科学館の観察会の案内や、星の情報などを、Twitterで紹介します。※科学館非公認ツイッターです。
「天体観測室」https://twitter.com/starfeelroom

観察会で出た質問や出来事などもお伝えできればと思います。お楽しみに!
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# by star-feel | 2016-07-02 23:51 | 観測会 | Comments(0)
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リコーの全球カメラ「THETA S」を買ってしまいました。どっぷりハマっています。
星も撮影できるので、早速、撮影した日周運動の画像を球体にしてみました。
360°全ての方向から見ることが出来る「球体写真」です。全周パノラマ写真といっても良いかも。

以前から半球を撮影(→全天パノラマギャラリー)して楽しんでいましたが、360°全て撮影できて星も写すことができるとなれば見逃せませんでした。
撮影した日周運動の元画像はこちら。⇒ 360°画像
(インターバル撮影1時間を比較明合成)
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こちらは撮影後にリコーのビュアーで表示したものです。ビュアーではGoogleストリートビューのように360°ぐるんぐるん動かすことができます。

この画像を元に球体を作成しました。
作る前からどうな風になるか分かっていても、球体に貼り付けていくうちに段々と出来上がっていく様は、ワクワクして面白いです。
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北極星を上にしてみると、縦を軸にして「ただぐるぐる回っているだけ」なのがよく分かります!
日周運動を習うときに東西南北のそれぞれの見え方を習うより、これを使って感覚的に掴んだ方が良いのかも知れません。
球体写真ならではの楽しみ方ですね^^

先の2つの写真なら半球でもできますが、THETAのすごいところは全球なこと。地上の観測の様子も一緒に入れることができます。
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RICOH THETAの楽しみ方として球体写真は普及していくのでしょうね!
そして球体用プリンタが一般的になれば、模型作りの苦労から解放されることでしょう(笑)







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# by star-feel | 2016-05-18 22:25 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
古星図から星座絵の天球儀を作ってみました。前から作ってみたかったんですよ、これ。
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通常の天球儀は、球の中心に自分がいて、
そこから見たときの様子が実際の星空と一致するように描かれています。
なので球の外から見ることになる天球儀は星座絵が反転しています。
これが意外と星座を見慣れている人ほど違和感を持ってしまうことになります。
さそり座の右側にいて座があったりしますから。

私の場合は、あえて実際に星空を見たときと一致するよう、反転させていないものを作っています。
さそり座の左側にいて座があるとなぜか落ち着きます(^^
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部分的な「星図」を上下左右に繋げて広げていったら、ぐるっと1周して球体になっちゃった、
と考えることにして勝手に「球体星図」と呼んでいます^^
以前、遠赤外線の球体星図を作ったときと同じです。→リンク「あかり」遠赤外線マップの球体星図(天球儀)をつくる

古星図は気に入った星座絵が描かれているものを海外の古星図専門店で探しました。
今回使ったのはMattheus Seutterさんが1750年に作成したもの。→リンク参考にした古星図※海外サイトです
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平面に描かれている星図を正しく球体に貼り付けるためには、星図がどのような図法で描かれているか知る必要があります。
最初は適当にやったら、さそり座が妙に長くなったりして失敗・・。
描かれている星の位置から関数を作成したところ今度は上手くいきました。
ということは、星の位置は正しくプロットされていることになります。
一方、星座絵の方は北天と南天でしし座の足が合わなかったりして(足が切れてる笑)、感覚で描いているようです。
しかし、これだけのものを描くって絵心のない自分には信じられない。すごいですね。

球体上に大小さまざまな星座があって眺めているだけでも面白いです。
おおぐま座が大きな星座だということも改めてよく分かります。
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この天球星図を作者のMattheus Seutterさんに見せることができたら、どんな反応をするのでしょう?^^







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# by star-feel | 2016-04-03 12:24 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
伊勢原市立子ども科学館にて、天文工作教室で月と地球の模型作りを担当することになりました。
2015年11月21日 16時~17時30分 「月と地球の模型を作って、観察しよう!」 ※予約が必要です。詳しくはこちら→科学館HP 工作教室は終了しました。(科学館にご要望いただければ第2回が実現するかも知れません。こちらのコメント欄でも構いません)

いつもの天体を作る方法では、本人ですら失敗がよくあるので、とても他の方にお薦めできません(^^;
今回の工作向けに、小さいお子さんにもできるだけ作り易いものを考えてみました。

こちらが工作の完成模型、フルセットです。(時間が限られているので出来なかった分はお持ち帰りいただきます)
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結構盛り沢山になっちゃったかな?(笑)まあ、子ども達の興味は無限にあると信じて。
工作が終わったら、そのまま星空観察会で実際の月を観察いただけます。なかなか贅沢な工作ですよね~。
参加される方、お楽しみに!

ちなみに月の模型が見た目に近いでしょ? 実は自分で撮影した満月の写真を展開したのです。
一般的な月球儀は、クレーターの詳細な地図としては良いですが、全体的には肉眼で観察したときのようには見えません。
子ども達は肉眼で月を観察するので、見た目に近いものを作ってみたいと思ったのです。
写真を貼り付けてみると、満月のときの見慣れた月になって、自分でもびっくり。とても気に入っています^^

天体感測室では自分の天体模型を見せて説明してきましたが、初めて、来ていただいた皆さんに作っていただくことになります。
ご意見ご感想をいただいてさらに良いものにしていきたいです^^





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# by star-feel | 2015-11-15 22:02 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)

球体を黒板にしてみました。^^

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小学生も慣れ親しんでいる黒板を、端のないものにすると、意外な感覚が育って面白いかもと思ったのです。
球体にサンデーペイントの黒板用スプレーを塗りました。下地にプライマースプレーを使用。
黒板化するのは初めてでしたがとても簡単にできました。

球体なので小さな黒板消しの方が使いやすいかな?と思って買ってみたところ、なかなか良いです。

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世界地図を書いてみたり・・(書いてみると意外と位置関係を覚えてないことを痛感^^;)
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球面三角形のお勉強にも使えます。・・(ニーズは少ないと思われますが、内角の和が180°になりません)

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パカッと半球に分けることが出来て(笑)、内側も黒板にしたので、星の動きの解説にも使えそう。

思いつきでやった割に意外と楽しめてます(^^)

端のない球面上で遊ぶという感覚、ぜひ味わってみていただきたいです。







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# by star-feel | 2015-09-22 00:23 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)

こちらは百武彗星の写真です。
1996年ですから20年も前にフィルムカメラで撮影した、今となっては懐かしい写真です。

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このときは山奥で見たので空も暗く、淡い彗星の尾が長くしっかり見えて、尾の長さは角度にして90°を超えていました。
それはそれは素晴らしいものでした。

彗星の中心(最も明るいところ)を取り囲むようにして、とても綺麗な青緑色をした丸い部分がありますね。
この部分は彗星の「コマ」といいます。

コマの青緑色は何が発光しているのでしょうか?
実は主に「C2」が発光して見えています。C2は炭素原子が2個結びついたものです。
炭素は元素記号で「C」なので、2個くっついて「C2」というわけですね。(日本語では二原子炭素と言うそうです)

この「C2」は地球上では大気密度が濃いため、短時間で別のものに変わってしまい、日常的な現象では目にすることはない、と思っていました。
ところが、調べていたら家の中にもあることを知ってびっくり!それは・・

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「ガスコンロの炎」です。


ガスコンロの炎の中では何か起こっているかご存じですか?
我が家はプロパンガス(LPG)を使っています。プロパンは水素と炭素でできているんですね。
プロパンを空気に含まれる酸素とで燃焼反応させると、水と二酸化炭素になり、エネルギーとして熱が出てきます。この熱を使ってお湯を沸かしたりしてるんですね。

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たったの3つの原子「水素(H)」「炭素(C)」「酸素(O)」で起こっている現象というのは驚きですよね。(カッコ内は元素記号)
上の図では、燃焼前後の原子の数が等しくなるように表しています。化学反応式で書くと「C3H8+5O2→4H2O+3CO2+熱」です。
学校で習うのは化学反応式で反応前後を表しますが、今回のポイントはこの燃焼の途中の状態です。
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実は、ばらばらになったり(分解)、結びついたり(結合)を繰り返しているのです!※参照
この中に「C2」という状態になるものがあると、そこから青や緑の特定の色の光が出てきます。※補足
どうしてC2だけ見えるのか?他の状態からも光は出ていますが、目に見えない光で出ているのです。たまたま目で見える光で強く光ってるのはC2だったというだけです。
例えば、音も高音になり過ぎると超音波になって聞こえないですよね。同じように光にも紫外線や赤外線など見えないものがあります。

本当に、ガスコンロの光も彗星のコマの光も、同じC2の光なのか?実際に観測してみました。
分光器を使って色を分解しスペクトルを比較してみます。彗星はアイソン彗星(2014年)の時に撮影していたものを使っています。
結果はこちらです! ガスコンロの炎と彗星のコマのスペクトル

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ガスコンロも彗星も、C2が発光したときの色の光が、共通して出ていることがわかりますね(^^)
彗星のスペクトルがぼやけているのは、観測した分光器の違いのせいです。彗星の方がスリットを付けていない分光器のため、彗星の広がりの影響を受けてエッジのない、ぼやけたスペクトルになっています。※補足2
詳しい説明は割愛しますが、色で比較していただければ、同じ色で光が強くなっているのはわかります。

ガスコンロの炎の中と同じように、彗星のコマの中で起こっていることを考えてみましょう。

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まず彗星は水(H2O)や二酸化炭素(CO2)がほとんどです。
つまり元素としては、水素、炭素、酸素があることになりますね。(他にも窒素などもあります)
それが宇宙空間にガスとして放出されると、太陽光の強い紫外線により、ガスコンロと同じようにばらばらに分解されていきます。
その途中でC2という状態が生まれることになります。

C2の状態になって、それがまた太陽光によって分解してしまう確率がだいたい決まっているので、一定時間が経つとほとんど分解されC2がなくなります。
彗星全体から放出されたガスは球状を保ったまま広がっていくため、コマが丸くなって見えるのです。
寿命はざっくり10~100日ぐらいだそうです。

これからは彗星の写真を見るたびにガスバーナーのように見えてしまいますね(^^) ※あくまでコマの部分についての話であって、尾は異なりますので注意してください!尾の話はまたの機会に。

彗星の色とガスコンロ、日常の中の現象に同じ光があることを知って・・感動です。




<参照>
東京ガスのホームページの解説が、メタンガスの例ですが、とても分かり易くお薦めです。→東京ガス →東京ガス スペクトル
特に燃焼の途中の状態を示した表が驚きです。こんなに沢山の反応があるなんて。

<補足>
C2になっただけで発光しているわけではありません。C2のまま電子の状態が変化したときに発光します。
エネルギーが加わって電子が励起され、元に戻ったときに光が放出されます。

<補足2>
ガスコンロの炎のスペクトルは、昭和機械製作所の「VEGA」という直視分光器で、デモ機をお借りした際に撮影しました。アイピースのような姿をした分光器に、カメラを取り付け、撮影対象に真っ直ぐ向けて簡単に撮ることができます。スリットも付け外しできるので便利です。天体望遠鏡のアイピースの代わりに分光器を付けて天体も撮影できます。これ一つで、ガスコンロの炎も彗星もどちらのスペクトルも撮影できるってすごいですよね。詳細をお知りになりたい方はこちらをご覧ください(VEGAはカタログダウンロードのみ) →昭和機械HP









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# by star-feel | 2015-09-06 20:27 | 天体感測(実測編) | Comments(2)
もうすぐ探査機ニューホライズンズが冥王星に到着しますね!(止まれないので冥王星のそばを通り過ぎます)
最接近は2015年7月14日の日本時間20時50分ごろです。
最接近時の探査機から見た冥王星のシミュレーション図がこちら。
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NASAの公開しているフリーソフト「NASA's Eyes」より(ソフトついては最後に記載)
探査機のすぐそばからの視点のため探査機自体が大きく見えています。実際は人の大きさぐらいの小さな探査機です。
画像中央に見えている球体が冥王星です。
右上はカメラの視野を表していて、ちょうど衛星カロンを観測しているところです。

これだけリアルにシミュレーションして見せてくれるとかなり想像できますね。
しかし、行った気になるくらいになるには今ひとつ物足りませんねー(^^
実際に探査機から冥王星がどれぐらいの大きさに見えているのか、が分かっていないからですね。
こういうときは角度が分かれば想像しやすくなります。

冥王星との距離と冥王星の大きさから、角度を計算してみましょう。
距離を見ると最接近時は7800マイルなので、
7800マイル = 12600km  (地球の直径ぐらいですね)
冥王星の直径2400kmとすると・・

角度 約10° と出ました。

この角度10°は、ちょうど手を伸ばしてグーにしたときの、にぎりこぶしの大きさぐらいです!

ぜひ手を伸ばしてやってみてください。
星空の中をそんな大きな天体が移動してたら怖いくらいですよね(^^)
想像できるとより楽しみが増えます。

ちなみに地球から冥王星はどこに見えているかというと、夏の星座で有名ないて座の方向になります。14等なので暗くてもちろん目で直接見えません。
最接近のときの南の空の図がこちら。梅雨ですが晴れたら位置を確認して想像しましょう。
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補足
<探査機ニューホライズンズの冥王星接近のシミュレーションソフト>
NASAのフリーソフトはこちら→「NASA's Eyes
「DOWNLOAD」でソフトをPCにインストールしてもいいですし、「Simple」「Advanced」でインストールせず表示してもいいです。(うちのPCではソフトをインストールしないと動きが重かったです)(追記修正7/28)最接近後にリンク先の表示画面が変わったようです。DOWNLOADしてインストールしてください。
冥王星への接近を見るには「Eyes on pluto」を選びます。
最初は現在のニューホライズンズからの視点を表示してくれます。
左側の「PREVIEW」をクリックすると、13日からの最接近頃の様子を早送りで見せてくれます。(下の設定でスピードを変更できます)
特に次々と本体を動かし観測する様子は必見!かっこいいです(^^)








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# by star-feel | 2015-07-07 23:53 | 天体感測 | Comments(0)
伊勢原市立こども科学館 天体観察会「クーデの日」2015/5/23 お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
下り坂の天気の中、なんとか月や金星、木星を望遠鏡で見ることができて良かったです。
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【天体感測室】(観察した天体を少しでもリアルに感じてもらうおまけコーナー)
今回は金星が観察できたということで、金星と地球の模型を使って大きさ比べをしました。

続きはこちら→
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# by star-feel | 2015-05-31 21:49 | 観測会 | Comments(0)
これまで土星木星の衛星など作成した模型の一部を紹介してきました。生まれたときの地球、や、はやぶさラストショットなんてのも作りましたね。いつの間にか模型が相棒みたいな感じになってきてるなあ(^^

さて、今回は伊勢原市立子ども科学館の科学館フェスティバルのために「太陽の模型」を作ってみました。
太陽を直径55cmにすると地球の大きさは5mm! 5mmの地球もリアルな模型として作成。
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中身はバランスボール!(^^)
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さすがにいつものようにシールを大きな球に貼り付けるのは無理っ、てことで布で初挑戦。
太陽っぽい柄の布を手芸屋さんでゲットしました。しかし、裁縫しない男子には縫うのはハードルが高い・・
どうしようと思っていたところ「裁ほう上手」というコニシ株式会社の布用のボンドを発見!
非常に強力で接着すると引っ張っても全く外れません。むむ、これは便利。ラクし過ぎで申し訳ないくらい。

バランスボールも完全な球体ではないため、生地を大き目に切り出して実寸合わせしながらの張り合わせ作業が必要になり、ボンドで接着という選択が好都合でした。
しかし、綺麗な球体にしようと欲張って展開図の分割の数をいつもと同じ数にしたことで、思ったより時間のかかる作業に・・。苦行になりながらもフェスティバルで使うことを思い出しては自分に喝を入れ何とか完成できました。

ゴールデンウィークに開かれた科学館フェスティバルでは、太陽望遠鏡を使って実際の太陽を観察していただきました。
そして太陽と地球の大きさと距離を実感してみようのコーナー!
さて問題。地球を5mmにすると太陽までどのくらいの距離になるでしょう?

答え 約60m。 遠いと思いました?意外と近いという感想も大人の方から出てました。

ということで、60m先の太陽の模型を置いておき、
最初は手元で6cmの地球模型を見せて日本を探してもらい、それを5mmの地球模型に変えてから、この大きさの地球にすると太陽はあの遠くのボールになるんだよ、とお話。
そして、子供たちに「あの太陽、持ってきてくれないかな?」と言ってみると・・みんな「え?いいの?」という反応で喜んで行ってくれました。
さあ、運動会の始まりです!!(笑)
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小さい子には球が大きすぎて途中から玉転がし競争に!(^^
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3人兄弟でみんなで仲良く持ってきてくれたり、お兄ちゃんが走って持っていくところを弟くんが追っかけていたり、微笑ましい光景が数多くみられました。

しばしの宇宙旅行が終わったら、太陽の大きさと地球の大きさを比較してもらいました。息を切らしながらも
子ども「わあ、地球小っちゃい!」「人間1mmぐらいじゃない?」大人「1mmよりもっと小さいよ!」なんて会話も。
楽しんでいただけたようで諦めずに作って良かった!

この太陽は機会があったら夜の天体観察会でも使ってみようと思います。お楽しみに(^^





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# by star-feel | 2015-05-10 20:06 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
いて座に新星が現れています。
新星は読んで字のごとく、まるで新しい星が生まれたかのように、突然星が現れて見える現象です。

発見されたのが3月15日23時日本時(2015年)で、4月5日現在、さらに明るくなって(4.5等)見えています。
双眼鏡なら余裕で見える程度です。ぜひ早起きしてご覧になってください(^^)
発見約2日後の3月18日に撮影してみた写真がこちら。
b0253922_18595258.png
空が白み始めていたので星がだいぶ消えていますが、いて座の星座を形作る星達と一緒に見えています。
見た目では星が見えているだけです。特徴がある訳ではないので普通の星にしか見えません。

普通の星のように見えて、実は何か違いがあるのか?
これは星を色に分解して、「スペクトル」で成分や状態を見てみるチャンス!(^^)

以前、「銀河M82の超新星爆発の膨張速度を測ってみました!」でやったのと同じように、分光器(StarAnalyzer100)で色に分解して観測してみました。1枚の写真の中に、星の光とそのスペクトルを、横並びにして一緒に写すことができます。
カメラを向けて撮影してみると・・他の星と明らかに違ってる!(分かり易くするために3/29の画像を使っています)
b0253922_20094460.png
違いが分かりますか?暗くて分かりにくいかも知れませんが、普通の星は青から赤色にかけて明るさが連続的に変化しているのに対し、新星には色のところどころに明るい部分があります。

初めてスペクトルを撮影した3/23と、その後3/27との比較がこちらです。
スペクトルが大きく変化しているのを偶然捉えました!(^^)
b0253922_19343599.png
上のスペクトルには、下のような明るい線(輝線)がなく、逆に同じ位置に暗い線(吸収線)が現れています。
実は、上のスペクトルを撮影した時には、個人的にかなり衝撃だったんですよ。
一般的に新星が下のようなスペクトルの状態になるという知識を持っていたからです。
撮影する対象を間違ったかと焦って何度も確認し、どうしてそうなるんだろうと考えてモヤモヤしてました(^^;

このスペクトルからも水素の状態など色々なことが読み取れますが・・今回の説明はここまでにしておきます。
いまは科学的な解析をするためカメラの特性など様々な補正を行っているところです。

いずれにしても、星のただの点に見えたものが、実はこんなに変化していた!というのは驚きです。
止まっているように見える星の世界も、違った見方をすると激しい変化が見えたりして、面白いものですね(^^)



<補足>
その後の調べでわかってきたのは、
実は、発見直後は下のスペクトルと同じように輝線があったらしい→ 新星が明るくなって極大を迎えたときに上のスペクトルのように吸収線だけになった→ その後、新星が一旦暗くなり、下のスペクトルのように輝線が出てきて→ 再び新星が明るくなって、今(4/5)に至るまで輝線が出たままになっているらしい、ということです。









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# by star-feel | 2015-04-05 22:23 | 天体感測(実測編) | Comments(0)
伊勢原市立こども科学館 皆既月食観察会 2015/4/4 お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
あいにくの曇り空でしたね。雲間からほんの少しだけ部分月食を見れた方もいらっしゃったようです。
望遠鏡を出したそばには桜があって夜桜を見ながらの印象的な観察会になりました。
b0253922_22003737.jpg


→ 続きはこちら
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# by star-feel | 2015-04-04 22:49 | 観測会 | Comments(0)
伊勢原市立こども科学館 天体観察会「クーデの日」2015/2/28
お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
昼間は青空だったのに、観察会開始から雲が段々と増えたので、雲の隙間を待ちながらの観察になりましたね。


続きはこちら
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# by star-feel | 2015-03-01 13:58 | 観測会 | Comments(0)

2015年1月に日本の天文観測衛星から、また一つ素晴らしい成果が発表されました。

赤外線天文衛星「あかり」が観測した遠赤外線で見た宇宙の地図です。発表のリンクへ

b0253922_17053663.jpg
地球の周りを回りながら観測を行い、地球から見える宇宙のすべての方向を撮影した画像です。「全ての方向を写したパノラマ写真」と想像して見るといいかも知れませんね。
横方向はぐるっと一周360°になるので画像の右端と左端は繋がります。
このような楕円の画像は宇宙の地図を表すときによく使われます。

しかし、本来は球のものを平面の画像で見る、というのは感覚的に分かりにくいので・・
b0253922_17162277.gif

球体にしてみました(^^)
ただの1枚の画像では面白くないので、今回はぐるぐる回転画像バージョンで!(笑)手で適当にずらして撮影したので不安定な回転になっているのはご愛嬌。

星座がわかるよう主な星を白い丸で加えました。オリオン座が真ん中を通過していくのが分かりますか?動体視力も必要なのでかなり難易度高いですけどね・・(^^;
一般的な天球儀と違い、あえて星座を裏返しにしていません。そうすることで星空の中の赤外線の分布の位置が分かり易くなるからです。「天球儀」というと誤解を生む場合があるので、私は「球体星図」と呼ぶようにしています。(正式名称ではありません)

今回、最初に作成したのはこちらの画像です。(画像クリックで拡大)
オリオン座はどこ?という方は、有名な星座や目じるしの画像をご覧ください。見比べてみてください。
【 赤外線天文衛星「あかり」遠赤外線マップ 赤道座標 星を追加 】
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この遠赤外線マップの注目するポイントは
・雲のように見えるのが宇宙の塵です。近い"雲"も遠い"雲"も一緒に見えています。
・蛇行した白い帯に見える部分が天の川の部分です。星が生まれる素にもなる塵が多く集まっています。
・薄い緑色で横に蛇行している帯は、主に小惑星の帯です。
・オリオン座の下の方にある明るいところは大マゼラン星雲です。右に小マゼラン星雲もあります。
・星に詳しい方は、アンドロメダ銀河、エンゼルフィッシュを探してみてくださいね。

球体を作成してみたい!という方はこちらの画像を使用してください。(画像クリックして拡大)
画像を保存して用意した球体のサイズに合うように印刷して貼り付けます。
【 赤外線天文衛星「あかり」遠赤外線マップ 球体に貼り付け用 】
b0253922_17161273.jpg
「あかり」の宇宙に行ってからの様子や観測内容は、こちらの漫画がわかりやすいです!あかりちゃん漫画へ 
オススメですよ。下の画像は2巻の表紙で、主に観測した内容について書かれています。とりあえず何を観測したの?ということを知りたい方は2巻から読んでもいいでしょう。
b0253922_17162899.jpg
自分で球体を作成してみたところ、遠赤外線の分布がいつの間にか頭に入ってきて、
夜空を見上げるとイメージの記憶だけで不思議と見えてきます(笑)

とても大きく広がる塵を想像し
宇宙が何もない空間ではないんだ、と感じることができて
すごい空間にいるんだなあ、とつい浸ってしまいます(^^)



<補足>

※今回、あかりの研究者の方に、編集した画像をブログに載せることについて確認させていただきました。あかりに公開されているものは基本的に自由に編集し公開して良いそうです。
※球体を作成したのが2015年の正月だったので1月の発表前でした。次期赤外線衛星SPICAのページに公開されていた画像を使用して作成したため、色味が違います(1月の発表が全体的に青くなっている)。こちらも確認したところ、違いはないということでしたのでそのまま載せています。






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# by star-feel | 2015-02-15 20:12 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
伊勢原市立こども科学館 天体観察会「クーデの日」2015/1/31
お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。
月も星たちも、とても綺麗に見えた夜でしたね。

続きはこちら
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# by star-feel | 2015-02-08 18:09 | 観測会 | Comments(0)
2015年最初の投稿になりました。今年もよろしくお願いします!

年末からラブジョイ彗星(C/2014 Q2)が明るく見えています。
撮影してみました。
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2015/1/10 21:12 神奈川県秦野市にて FC-76 D5100 ISO3200 露出32秒×6 トリミング

青緑色がとても綺麗!放射状に広がった尾があると躍動感がありますね。

双眼鏡でも中心部の恒星状のものと一緒に周囲がぼわっと広がった様子を見ることができます。街中の空では尾はほとんど認識できませんでした。
見るなら1月中がチャンスです。彗星がどこにいるかはこちらのアストロアーツのページを参照にしてくださいね。

撮影した写真に見られる放射状に広がった尾は「プラズマテイル」です。
プラズマテイルは、「彗星からガスが放出」→ 「太陽の紫外線を浴びて電子が剥ぎ取られてプラスイオンになる」→ 「太陽から来るプラスの電荷(太陽風)に押されて尾になる」というものです。

ポイントは、彗星がガスを噴出している様子がそのまま見えているという訳ではなく、あくまで「太陽風によって、電気的に力が働いて、尾になって見えている」ということでしょうか。
太陽風のプラスの電荷は磁力線に影響を受けて流れを変えるので、プラズマテイルも間接的に時間と共に形を変えていきます。

こちらでプラズマテイルが時間とともに変化する様子をご覧いただけます。
石垣島天文台(別ウィンドウで開きます)→尾の収束する様子の動画
私たちは普段、太陽風というものを見て感じることはできないので、間接的に見ることができる現象から想像すると楽しいですね。







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# by star-feel | 2015-01-11 23:23 | 空模様 | Comments(0)
先月、伊豆の西天城高原に同好会の合宿で行きました。とても素晴らしい星空でした。
ドブソニアン望遠鏡Ninja-320のヒロシ君が大活躍。
写真は「ヒロシ君」(手前)と、同じ望遠鏡でFさん所有の「アンナちゃん」(奥)の共演の様子です(^^)
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特に伊豆は南の低空が暗く、その周辺の「銀河」を沢山見ることができました。
「銀河」とは、下の写真のアンドロメダ銀河に代表されるような星の集まりのことです。(学生時代にフィルムカメラで撮影した懐かしい写真です)
b0253922_22281753.jpg
銀河は非常に遠くにあります。
アンドロメダ銀河で230万光年、今回Ninja-320で見ることができた最も遠くの銀河で約7000万光年という距離でした。(1光年は距離の単位で、光が1年間に進む距離を表します)
私たちのいる銀河の直径が10万光年ですから、こんなにも遠くのものが、望遠鏡を使って直接目で見ることができるなんて本当に驚きです。

ヒロシ君を持ってから沢山の銀河を見ることができるようになり、知りたくなってきたことがあります。

「今見てる銀河はどれぐらいの距離なのか?」「銀河の分布のどの位置にあるものを見ているのか?」

メジャーな天体には距離が書かれていますが、マイナーなものになると情報がありません。
一つ一つの天体を見るよりその全体的な分布を感じてみたいと思いました。

そこで「銀河の遠近がわかる星図」を作成してみました。(データの引用元と編集の詳細については最後の補足をご覧ください)
まず、こちらは「地球から見た約4億光年までの銀河」を示したもの、です。白い点の一つ一つが銀河です。クリックすると大きい画像でご覧いただけます。
その数なんと4万個あまり。すごい数ですよね。
b0253922_2229331.png

世界地図と同じように、左右が1周360°の経度、上下が±90°の緯度で、夜空の全天を地図に表しています。
銀河がランダムにあるというより、ところどころ網状に繋がって分布している様子を見ることができます。銀河の白い点のない曲線帯状の空白部分は、天の川の星やガス・塵によって邪魔をされ観測データがない部分で、銀河がない訳ではありません。
なお、星図の中の青い丸は星座を作っている星(恒星)です。分かり易くいくつか有名な星座や目印を書いたものがこちらになります。
b0253922_22292835.png
さて、先ほどの銀河の星図に「遠近」を表現したいものです。
そこで近い距離の銀河ほど大きな白い丸で表してみました。約1億光年以下のものに距離に応じて大きさを持たせています。
b0253922_22314050.png
もっと遠近感をはっきりさせるため、色と明るさにも違いを付けて、最終的にはこのようにしました。
「銀河の距離星図」完成版
b0253922_22322083.png
近い距離の銀河たちが連なっている様子がわかりますね。
右端の銀河の集中しているところが「おとめ座銀河団」で、その上に「かみのけ座銀河団」があります。
星に詳しい方は拡大して星図と見比べると、メシエ天体やNGC天体が分布のどの辺りにあるのか分かりますよ。

さて、今回、初めて「ろ座銀河団」を見ることができました。
望遠鏡ヒロシ君で見ると視野の中に常に3、4個の小さな銀河を見ることが出来て、さすがは銀河団!と感激しました。見えるものなんですね。
図の円が視野の広さを表しています。
b0253922_223416100.png
先ほどの星図ではオリオン座の右下のこの位置にあります。
b0253922_22344411.png

上下に連なった銀河のこの部分を見たということを実感できて満足です。

実際には星図は球体になるので、球体星図として作成してみたのがこちら。着色前の星図を使っています。
b0253922_223511100.jpg

球体にすると意外な銀河の連なりが見えたりして面白いものですね。

こういった観測データを公開してくれていて自由に利用できるというのは、本当にありがたいことです。
この星図を使って「銀河の分布を感じる観望」を楽しみたいと思います。


<補足>
今回の星図はこちらのハーバード ・ スミソニアン天体物理学センターの記事の元になっているデータを使用しました。
http://www.cfa.harvard.edu/news/2011-16
データはこちらから。
http://tdc-www.cfa.harvard.edu/2mrs/
このデータの赤方偏移を単純に距離として置き換えています。
実際は銀河自体にそれぞれ動きがあり、私たちの銀河も400km/sというスピードでおとめ座銀河団に向かっていたりするので、特に近い距離ほど置き換えの誤差が発生します。
今回は全体的に分布を見ることを目的としているため厳密にしていないこと、ご了承ください。
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# by star-feel | 2014-12-21 23:15 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
もうすぐ(2014年10月8日)は皆既月食ですね。
こちらは2011年の皆既月食のときに撮影した写真です。
b0253922_224121.png
月食は地球の影の中を月が通り過ぎる現象です。
月が影の中に途中まで入った部分月食の状態を見ると、地球の影が浮かび上がってきます。右側の図と左の写真とを見比べてみてください。
b0253922_2133981.png
月にうつった地球の影をのばすと綺麗に円になっているのがよくわかりますね。

私の月食の楽しみ方の一つに「地球の影の中の自分がいる位置」を想像するというものがあります。
何を言ってるんだって?(^^)順を追って説明しますね。こういうことです。
b0253922_21153310.png
あなたが山の頂上にいて影がのびているときを想像してください(左)このとき、山の影の中であなたの影はどこにあるでしょう?そう、山の影の頂点ですね。

では次に、ビルの中央の階にいたとしましょう(中)どこに位置するかと考えると・・ビルの影の真ん中と想像できますね。(図では人の形は位置を表すためで、実際には影の中には何も見えません)

では月食ではどうなるのか?(右)
「影の中の自分がいる位置」とはそういう意味です。

ぜひ考えてみてください(^^)複雑な天文計算をしなくても位置がわかります。
説明は次回にすることにして、
月食中に自分がいる位置がわかる道具を作成してみました。
b0253922_22295831.png
名前はなんて付けましょうか。「地球影器」とでもしておきましょう(^^)
使い方は、夜空に見える地球の影の方向に鏡のある方を直接向けて、円筒の穴をのぞきます。
すると鏡の中に写った球が地球の影の輪郭を表し、球の上の黒い点が自分の位置を表すというものです。

それって何が楽しいの?ってツッコミがありそうですが(笑)

影にいる自分の位置がわかると、地球による丸い影の輪郭だけでなく
より一層、鏡のように私達を写しているような感じがして、
何とも言えない不思議な気分になるのですよ。
ぜひ体感して欲しいです(^^)
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# by star-feel | 2014-10-05 22:47 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)

by star-feel