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天体感測のススメ

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宇宙を感じる生活

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球体を黒板にしてみました。^^

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小学生も慣れ親しんでいる黒板を、端のないものにすると、意外な感覚が育って面白いかもと思ったのです。
球体にサンデーペイントの黒板用スプレーを塗りました。下地にプライマースプレーを使用。
黒板化するのは初めてでしたがとても簡単にできました。

球体なので小さな黒板消しの方が使いやすいかな?と思って買ってみたところ、なかなか良いです。

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世界地図を書いてみたり・・(書いてみると意外と位置関係を覚えてないことを痛感^^;)
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球面三角形のお勉強にも使えます。・・(ニーズは少ないと思われますが、内角の和が180°になりません)

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パカッと半球に分けることが出来て(笑)、内側も黒板にしたので、星の動きの解説にも使えそう。

思いつきでやった割に意外と楽しめてます(^^)

端のない球面上で遊ぶという感覚、ぜひ味わってみていただきたいです。







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by star-feel | 2015-09-22 00:23 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)

こちらは百武彗星の写真です。
1996年ですから20年も前にフィルムカメラで撮影した、今となっては懐かしい写真です。

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このときは山奥で見たので空も暗く、淡い彗星の尾が長くしっかり見えて、尾の長さは角度にして90°を超えていました。
それはそれは素晴らしいものでした。

彗星の中心(最も明るいところ)を取り囲むようにして、とても綺麗な青緑色をした丸い部分がありますね。
この部分は彗星の「コマ」といいます。

コマの青緑色は何が発光しているのでしょうか?
実は主に「C2」が発光して見えています。C2は炭素原子が2個結びついたものです。
炭素は元素記号で「C」なので、2個くっついて「C2」というわけですね。(日本語では二原子炭素と言うそうです)

この「C2」は地球上では大気密度が濃いため、短時間で別のものに変わってしまい、日常的な現象では目にすることはない、と思っていました。
ところが、調べていたら家の中にもあることを知ってびっくり!それは・・

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「ガスコンロの炎」です。


ガスコンロの炎の中では何か起こっているかご存じですか?
我が家はプロパンガス(LPG)を使っています。プロパンは水素と炭素でできているんですね。
プロパンを空気に含まれる酸素とで燃焼反応させると、水と二酸化炭素になり、エネルギーとして熱が出てきます。この熱を使ってお湯を沸かしたりしてるんですね。

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たったの3つの原子「水素(H)」「炭素(C)」「酸素(O)」で起こっている現象というのは驚きですよね。(カッコ内は元素記号)
上の図では、燃焼前後の原子の数が等しくなるように表しています。化学反応式で書くと「C3H8+5O2→4H2O+3CO2+熱」です。
学校で習うのは化学反応式で反応前後を表しますが、今回のポイントはこの燃焼の途中の状態です。
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実は、ばらばらになったり(分解)、結びついたり(結合)を繰り返しているのです!※参照
この中に「C2」という状態になるものがあると、そこから青や緑の特定の色の光が出てきます。※補足
どうしてC2だけ見えるのか?他の状態からも光は出ていますが、目に見えない光で出ているのです。たまたま目で見える光で強く光ってるのはC2だったというだけです。
例えば、音も高音になり過ぎると超音波になって聞こえないですよね。同じように光にも紫外線や赤外線など見えないものがあります。

本当に、ガスコンロの光も彗星のコマの光も、同じC2の光なのか?実際に観測してみました。
分光器を使って色を分解しスペクトルを比較してみます。彗星はアイソン彗星(2014年)の時に撮影していたものを使っています。
結果はこちらです! ガスコンロの炎と彗星のコマのスペクトル

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ガスコンロも彗星も、C2が発光したときの色の光が、共通して出ていることがわかりますね(^^)
彗星のスペクトルがぼやけているのは、観測した分光器の違いのせいです。彗星の方がスリットを付けていない分光器のため、彗星の広がりの影響を受けてエッジのない、ぼやけたスペクトルになっています。※補足2
詳しい説明は割愛しますが、色で比較していただければ、同じ色で光が強くなっているのはわかります。

ガスコンロの炎の中と同じように、彗星のコマの中で起こっていることを考えてみましょう。

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まず彗星は水(H2O)や二酸化炭素(CO2)がほとんどです。
つまり元素としては、水素、炭素、酸素があることになりますね。(他にも窒素などもあります)
それが宇宙空間にガスとして放出されると、太陽光の強い紫外線により、ガスコンロと同じようにばらばらに分解されていきます。
その途中でC2という状態が生まれることになります。

C2の状態になって、それがまた太陽光によって分解してしまう確率がだいたい決まっているので、一定時間が経つとほとんど分解されC2がなくなります。
彗星全体から放出されたガスは球状を保ったまま広がっていくため、コマが丸くなって見えるのです。
寿命はざっくり10~100日ぐらいだそうです。

これからは彗星の写真を見るたびにガスバーナーのように見えてしまいますね(^^) ※あくまでコマの部分についての話であって、尾は異なりますので注意してください!尾の話はまたの機会に。

彗星の色とガスコンロ、日常の中の現象に同じ光があることを知って・・感動です。




<参照>
東京ガスのホームページの解説が、メタンガスの例ですが、とても分かり易くお薦めです。→東京ガス →東京ガス スペクトル
特に燃焼の途中の状態を示した表が驚きです。こんなに沢山の反応があるなんて。

<補足>
C2になっただけで発光しているわけではありません。C2のまま電子の状態が変化したときに発光します。
エネルギーが加わって電子が励起され、元に戻ったときに光が放出されます。

<補足2>
ガスコンロの炎のスペクトルは、昭和機械製作所の「VEGA」という直視分光器で、デモ機をお借りした際に撮影しました。アイピースのような姿をした分光器に、カメラを取り付け、撮影対象に真っ直ぐ向けて簡単に撮ることができます。スリットも付け外しできるので便利です。天体望遠鏡のアイピースの代わりに分光器を付けて天体も撮影できます。これ一つで、ガスコンロの炎も彗星もどちらのスペクトルも撮影できるってすごいですよね。詳細をお知りになりたい方はこちらをご覧ください(VEGAはカタログダウンロードのみ) →昭和機械HP









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by star-feel | 2015-09-06 20:27 | 天体感測(実測編) | Comments(2)

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