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天体感測のススメ

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宇宙を感じる生活

探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に到着した時には「そろばんに似ている!」と話題になりました。

そこでリュウグウの3Dモデルを使って「そろばん」を作ってみました!☆^^☆
小惑星リュウグウで「リュウグウそろばん」を作ってみました!_b0253922_17381404.png
形状モデル クレジット:JAXA/会津大/神戸大  そろばん作成:天体感測のススメ(天体感測室)

一つ一つがちゃんとリュウグウの形をしています!
NASAで活躍中の日本人エンジニアの方に「正気ではない。」とリツイートいただきました(笑)
本当は小惑星はほぼ黒い色をしていますが、影がないと凸凹が分かりにくいので、あえて白色で作りました。
あの「ウラシマクレーター」も「オトヒメ岩塊」も分かりますよ!

実は真面目な話、そろばんの珠にそっくり!ということだけですでに謎。科学的に面白いのです。
そろばん形状を作るには、速く回転する必要があるからです。
小惑星リュウグウで「リュウグウそろばん」を作ってみました!_b0253922_18161870.png

速く回転しすぎると、遠心力が引力に勝って岩や石が移動し、そろばん形状になると考えられています。

しかしリュウグウは自転が約7.6時間。この速さではそろばんの形になれません。
ざっくり計算してみると自転が3~4時間ぐらい短くないといけません。
・・じゃあどうやってこの形になったの?不思議ですよね!

単純に考えられることは「昔は速く回転していた」説です。
ではどうして速く回っていたものが遅くなったのか?疑問はどんどん膨らみます。
研究者になったつもりで一緒に考えてみましょう!^^

最初の画像は、はやぶさ2がリュウグウに到着して400日目(2019年8月1日)を記念してツイッターに投稿したときのものです。
そろばんの珠で「400」を表したのですが、気づいてくれたのがお一人だったという^^;
小惑星リュウグウで「リュウグウそろばん」を作ってみました!_b0253922_17383397.png
形状モデルは日本プラネタリウム協会のホームパージからダウンロード可能です。こちら⇒ 3Dモデルデータ
真ん中あたりの「3Dモデルデータ 形状モデル」です。
3Dプリンタがない!という方でも大丈夫。私もネットの3Dプリントサービスを利用しています。

ペーパークラフトで安く作成したいという方は前回公開したリュウグウのペーパークラフトを利用するのも手ですね⇒ リュウグウペーパークラフト

ぜひ作っていただいてみんなでリュウグウそろばんの輪を広めましょう!ヽ( ̄▽ ̄)ノ






# by star-feel | 2019-11-04 17:53 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に到着して400日を超えました!(2019/8/5現在、400日目は2019/8/1)
タッチダウンの2回目も成功し、採取したリュウグウの砂を手にする日が今から待ち遠しいです。

そのリュウグウのペーパークラフトを作ってみました☆
小惑星リュウグウのペーパークラフトを作ってみました!_b0253922_21271180.jpg
ペーパークラフトの展開図もこちらに公開しておきますね。
展開図は日本プラネタリウム協議会のホームページより入手した緯度経度の地図より変換して作成しました。
画像をクリックして拡大し、画像を保存したあと、A4のペーパークラフト専用紙等にプリントアウトしてお使いください。
小惑星リュウグウのペーパークラフトを作ってみました!_b0253922_22175284.jpg

簡単に作り方を説明しておきますと
まず、上の2つを富士山形に組み立てます。

この2つを最初の写真のようにくっつけるのですが、
合わせるのが難しいので、間に挟むのが下の結合パーツです。
下の結合パーツは、輪っかのように繋げて、ちょうどリュウグウの胴体部分だけを切り出した形にします。
イカリングみたいになります^^
小惑星リュウグウのペーパークラフトを作ってみました!_b0253922_05341432.jpg
最後に富士山形をくっつける際に、結合パーツを間に挟んで、向きを合わせて接着します。
向きは富士山を作った時のつなぎ目を揃えます。
これで完成です!

説明が不十分な状態での公開ですみません。
わからないことがありましたらコメント欄でお知らせください。

完成したら、JAXAのホームページなどに公開されている実際のリュウグウの画像と見比べて、どの面を撮影したかを探してみると面白いですよ!!
ぜひ楽しんでみてください☆

補足(2019/8/18)
Google Earthの衛星写真をプリントし、その上にリュウグウ模型を置いて、大きさを実感するのも良いでしょう☆
小惑星リュウグウのペーパークラフトを作ってみました!_b0253922_21061117.jpg
ポイントは900mのリュウグウの大きさに合わせて、衛星写真を印刷することです。
先日開催した天文工作教室では、自分の通う学校周辺の衛星写真に置いていただきました☆
Google Mapの衛星写真表示でもできます。







# by star-feel | 2019-08-05 21:58 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
太陽の光の数字で、今の時刻を知ることができる「時を映す日時計」を作ってみました☆
台座に書かれた中心線が、時刻を示してくれます。
時を映す日時計を作ってみました!_b0253922_19524073.jpg
昨年(2018年4月)のある日、三鷹の国立天文台からの帰り道にふと思いつき、その日のうちに試作しました^^
この日時計、紙1枚で出来ているんですよ。

こちらの動画は、初期の頃に作ったもので、実際の太陽を使ってタイムラプス撮影してみたものです。
日時計タイムラプス動画
腕時計の時刻と見比べてみてください。どうでしょうか。
朝から夕方まで、正確に時を映していることが分かりますね!

世の中には様々な日時計がありますよね。
この日時計の特徴は、
・太陽の存在を感じられるよう「光」の数字で時刻を示します
・時刻を固定した中心線に示すので、読み取り場所が変化しません
・1枚の紙のシンプルな構造でできています
・一年中、季節を問わず使用可能で、時刻も正確です(均時差を除く)(上の写真は関西用バージョンです)
・朝夕の斜めに入射する光に対して、数字を変形させているので、数字が崩れず読みやすいです
などがあります。

もちろん日時計なので、天気が悪いと使えないし、夜も使えないですが(笑)、
ゆっくりとした時の流れと共に、太陽の存在と地球の動きを感じるのも、またいいものです☆

1年間も時間がかかりましたが、腕時計タイプや窓ガラスに付けるタイプなどの発展形も含めて、ようやく人にお渡しできるしっかりした物が完成しました。
ホームページを作成しましたのでご興味がある方はこちらをご覧ください→ ☆sora-kan舎 https://sora-kansya.wixsite.com/sora

長年、星を見てきた方にも、時計に興味がある方にも、
宇宙という「自然」から得られる「時の流れ」を感じていただければ幸いです^^





# by star-feel | 2019-05-04 20:59 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)
夜空を見上げると星が輝いています。

どの星も点にしか光って見えませんが、
実は「自ら光っている星」と「光を反射して光って見える星」の2種類がある、
ということは聞いたことがあると思います。
太陽は自ら光っていて恒星といい、惑星は自ら光らない、というのを学校でも習いますからね。
ガリレオ衛星を照らしているのは太陽なのか確認してみました!_b0253922_14574578.png
知識として知ってても惑星を照らしているのはホントに太陽の光なのか?と疑問に思ったことはありませんか?

そこで!
「惑星のように自ら光らない星を照らしているのは太陽光なのか?」を確認してみることにしました(^^)

どうやって確認するのか?
照らされた光を反射する訳ですから、
「照らされた光に無かった色は無いまま」ということになります。

つまりこういう作戦で確認ができそうです。
「自ら光らない天体が太陽光を反射しているなら、その光には太陽光と同じ特徴が見られるはずだ」

光の特徴を見るには、光を基本的な性質に分解してみることができる「分光器」というものを使います。
分解した特徴のことを、光の「スペクトル」と言います。
「音」でいうと音楽を高音から低音の成分に分解して並べたようなイメージと同じで、
「光」の場合は「青から赤の虹色」になります。

太陽光には次のような特徴があります。
ガリレオ衛星を照らしているのは太陽なのか確認してみました!_b0253922_23284649.png
[1]をご覧ください。
太陽の表面温度は約6000℃あり、その”熱”だけで、青から赤まで滑らかにグラデーションになっているスペクトルが発生します。
白熱電球もフィラメントが2500℃ぐらいになることで熱だけで光っているんですよ。それと原理的には同じです。
次に[2]をご覧ください。
太陽の表面には高温のガスが取り巻いています。熱で発生した光はそのガスによって特有の光の色が吸収され暗くなります。
「吸収線」と呼ばれます。
ここがポイントです!太陽という高温の環境で取り巻くガスによって、特徴的な吸収線を持つスペクトルになります。
その光が地球にも届くので、太陽を観測すると太陽のガスについて知ることができます。

では、その光を反射した天体はどうなるか?
ガリレオ衛星を照らしているのは太陽なのか確認してみました!_b0253922_23285251.png
[3]のように、太陽光が惑星や衛星に当たり反射するので、地球から観測すると同じ特徴が見られるはず・・という訳です。(※注は下記の補足参照)

さあ、観測です!
今回、観測してみたのは木星の衛星4つです。!衛星はイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという名前で、4つでガリレオ衛星と呼ばれています。
惑星でも良かったのですが、ガリレオ衛星みたいなものでも本当に分かるのか?ということでチャレンジしてみました。
StarAnalyzer100という分光器を通して実際に撮影したものがこちらです。
ガリレオ衛星を照らしているのは太陽なのか確認してみました!_b0253922_23311429.png
「直接光」と書かれた元々の光に対して、右に「スペクトル」が一緒に写っています。
ガリレオ衛星の光を十分に集めたため木星は眩しすぎて飽和しています。
木星の光が広がっているので、画像処理で背景の光と差を取って衛星のみの光を取りだし、
視覚的に吸収線が見えやすいようにスペクトルの縦方向の幅を伸ばして並べ、完成しました。
こちらがガリレオ衛星のスペクトルです!
どうでしょう!!
ガリレオ衛星を照らしているのは太陽なのか確認してみました!_b0253922_23311964.png
引いて見ると、太陽にある吸収線と同じ色(位置)に、うっすらとではありますが線が見えませんか?
確かに太陽光が当たってます!
木星までの距離は太陽と地球の間の約5倍もあります。
そんな遠くにある、しかも月かそれより大きいぐらいの天体に太陽の光が届いて、
反射して戻ってきた光を見ているというのは・・すごいですよね。

ちなみに他の星のもとではどうなるか?
オリオン座の1等星ベテルギウスは自ら光っている星です。スペクトルはというと・・
このようになります。
ガリレオ衛星を照らしているのは太陽なのか確認してみました!_b0253922_23312368.png
太陽とだいぶ違いますね。これは太陽よりは温度が低いためガスによって吸収される成分が異なるからです。
もしこの星に惑星や衛星があって観測したとすると、この星の光の特徴を持つことになります。

私たち太陽系の天体の光には太陽の光が刻まれているのだあと思うと・・
太陽という恒星が与えている影響の大きさを改めて感じてしまいました!



<補足>
※注 ここでは説明を簡単にするために、太陽光は全てそのまま反射するかのように書きましたが、実際は惑星や衛星が持つガスによって異なる吸収線がさらに追加されたり、火星の表面のように青付近が少し吸収され比較的に赤が反射することもあります。それでも太陽の光の吸収線は残ります。

ちなみに図の中に書かれた吸収線はそれぞれガスの種類(元素)を表し、
「Hβ」水素(複数あるα,β,γ・・のうちのβ)、「Mg」マグネシウム、「Fe」鉄、「Na」ナトリウムになります。




# by star-feel | 2016-12-18 23:46 | 天体感測(実測編) | Comments(0)
みなさんは人類が”最も遠く”に人工物を着陸させた天体って何か、ご存知ですか?

答えは「土星の衛星タイタン」です! え、そんなとこ行ってた?って思いました?
アポロの行った月でも、はやぶさの行ったイトカワでも、海王星にも行ったボイジャーでもないんです。

これからご覧いただくのは「土星の衛星タイタン」に着陸した小型探査機「ホイヘンス」の画像です。

これは探査機が降下中にタイタン上空2kmから撮影したパノラマ画像を360°画像にしてみたものです。
こちらをクリック→タイタン360°画像 視点を動かしたりズームしたりしてご覧いただけます。
土星の衛星「タイタン」の上空から見た360°画像_b0253922_20020085.jpg
画像NASA image Libraryより (パノラマ画像を360°画像に加工、空と真下は画像がなく適当にベタで塗りつぶしました。360°画像再生は普段お世話になっている360°カメラRICOH THETAのサイトを利用させていただきました。)
どうでしょう?CGではなく実際に観測された画像ですよ!スカイダイビングをしているみたいですよね。地球にある河口のような地形が広がっています。

ちなみに着陸したのは2005年です。
そんなびっくりなニュースがあったのを知らずに生活していた方も多いのではないでしょうか(^^) 日本が打ち上げた探査機だったらもっと知られていると思うのですが。

どんな着陸だったか簡単に紹介しましょう。

ホイヘンスはカッシーニという親機に搭載されて土星に着きました(2004年)
写真は土星のアップとタイタン(左下)。
土星の衛星「タイタン」の上空から見た360°画像_b0253922_20160279.jpg
土星よりだいぶ小さいですが、タイタン(直径5200km)は月(3500km)より大きいです。大気があって輪郭がぼやっとしています。
もし普段、私たちの見ている月がタイタンだったら?と想像してみてください。1.5倍ぐらいの大きさのぼやっとした天体が浮かんでいると思うと面白いですね。

さて、そのタイタンに小型機「ホイヘンス」が投入されました。2005年1月14日のこと。
こちらは着陸の様子を描いたイラストです。
土星の衛星「タイタン」の上空から見た360°画像_b0253922_20201071.jpg
大気の抵抗があるのでパラシュートを使って降りることができます。大気のない月では無理な方法です。

このとき上空から時々撮影したパノラマ写真がこちら。
上から上空150km、15km、2km、400mの順に並んでいます。
土星の衛星「タイタン」の上空から見た360°画像_b0253922_20224137.jpg
ただ、このパノラマ画像を見ても今一つ実感が湧かないですよね。
そこで、最初にご覧いただいた360°画像はこの中の2km上空の画像を切りとり、360°画像として見えるように変換してみました。
再度360°画像をご覧いただくと、パノラマ画像より空間が認識しやすくて、自分がタイタン上空を飛んでいる気になりませんか?(^^)

そしてついに着陸!丸い石が目の前に転がっています。遠くの石まで写っていますね。この画像は人類にとってとても貴重な写真だと思います。
土星の衛星「タイタン」の上空から見た360°画像_b0253922_20255918.jpg
最後に着陸までの様子を実際の画像を上手く繋げて作成された動画がYouTubeにありました。分かり易く必見です。(タイタンに降りるのは動画1分ぐらいから。着陸のアップは撮影された画像から作成されたCGです)

ちなみに土星を天体望遠鏡で観察するとタイタンは結構簡単に見えています。8等級あります。意外に土星から遠いので背景の星だと思ってしまう方も多いです。
天体観察会で土星を見る機会がありましたら「タイタンはどれですか?」と聞いてみたり天文アプリで調べてみると良いでしょう。

ぜひ実際のタイタンを観察しながら、遥か彼方の天体の様子を想像してみてください。

※画像はNASA image Libraryより






# by star-feel | 2016-09-19 20:44 | 天体感測 | Comments(0)

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