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天体感測のススメ

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宇宙を感じる生活

「あかり」遠赤外線マップの球体星図(天球儀)をつくる

2015年1月に日本の天文観測衛星から、また一つ素晴らしい成果が発表されました。

赤外線天文衛星「あかり」が観測した遠赤外線で見た宇宙の地図です。発表のリンクへ

「あかり」遠赤外線マップの球体星図(天球儀)をつくる_b0253922_17053663.jpg
地球の周りを回りながら観測を行い、地球から見える宇宙のすべての方向を撮影した画像です。「全ての方向を写したパノラマ写真」と想像して見るといいかも知れませんね。
横方向はぐるっと一周360°になるので画像の右端と左端は繋がります。
このような楕円の画像は宇宙の地図を表すときによく使われます。

しかし、本来は球のものを平面の画像で見る、というのは感覚的に分かりにくいので・・
「あかり」遠赤外線マップの球体星図(天球儀)をつくる_b0253922_17162277.gif

球体にしてみました(^^)
ただの1枚の画像では面白くないので、今回はぐるぐる回転画像バージョンで!(笑)手で適当にずらして撮影したので不安定な回転になっているのはご愛嬌。

星座がわかるよう主な星を白い丸で加えました。オリオン座が真ん中を通過していくのが分かりますか?動体視力も必要なのでかなり難易度高いですけどね・・(^^;
一般的な天球儀と違い、あえて星座を裏返しにしていません。そうすることで星空の中の赤外線の分布の位置が分かり易くなるからです。「天球儀」というと誤解を生む場合があるので、私は「球体星図」と呼ぶようにしています。(正式名称ではありません)

今回、最初に作成したのはこちらの画像です。(画像クリックで拡大)
オリオン座はどこ?という方は、有名な星座や目じるしの画像をご覧ください。見比べてみてください。
【 赤外線天文衛星「あかり」遠赤外線マップ 赤道座標 星を追加 】
「あかり」遠赤外線マップの球体星図(天球儀)をつくる_b0253922_17160248.jpg
この遠赤外線マップの注目するポイントは
・雲のように見えるのが宇宙の塵です。近い"雲"も遠い"雲"も一緒に見えています。
・蛇行した白い帯に見える部分が天の川の部分です。星が生まれる素にもなる塵が多く集まっています。
・薄い緑色で横に蛇行している帯は、主に小惑星の帯です。
・オリオン座の下の方にある明るいところは大マゼラン星雲です。右に小マゼラン星雲もあります。
・星に詳しい方は、アンドロメダ銀河、エンゼルフィッシュを探してみてくださいね。

球体を作成してみたい!という方はこちらの画像を使用してください。(画像クリックして拡大)
画像を保存して用意した球体のサイズに合うように印刷して貼り付けます。
【 赤外線天文衛星「あかり」遠赤外線マップ 球体に貼り付け用 】
「あかり」遠赤外線マップの球体星図(天球儀)をつくる_b0253922_17161273.jpg
「あかり」の宇宙に行ってからの様子や観測内容は、こちらの漫画がわかりやすいです!あかりちゃん漫画へ 
オススメですよ。下の画像は2巻の表紙で、主に観測した内容について書かれています。とりあえず何を観測したの?ということを知りたい方は2巻から読んでもいいでしょう。
「あかり」遠赤外線マップの球体星図(天球儀)をつくる_b0253922_17162899.jpg
自分で球体を作成してみたところ、遠赤外線の分布がいつの間にか頭に入ってきて、
夜空を見上げるとイメージの記憶だけで不思議と見えてきます(笑)

とても大きく広がる塵を想像し
宇宙が何もない空間ではないんだ、と感じることができて
すごい空間にいるんだなあ、とつい浸ってしまいます(^^)



<補足>

※今回、あかりの研究者の方に、編集した画像をブログに載せることについて確認させていただきました。あかりに公開されているものは基本的に自由に編集し公開して良いそうです。
※球体を作成したのが2015年の正月だったので1月の発表前でした。次期赤外線衛星SPICAのページに公開されていた画像を使用して作成したため、色味が違います(1月の発表が全体的に青くなっている)。こちらも確認したところ、違いはないということでしたのでそのまま載せています。






by star-feel | 2015-02-15 20:12 | 天体感測(クラフト編) | Comments(0)

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