ガリレオ衛星を照らしているのは太陽なのか確認してみました!
実は「自ら光っている星」と「光を反射して光って見える星」の2種類がある、
ということは聞いたことがあると思います。
太陽は自ら光っていて恒星といい、惑星は自ら光らない、というのを学校でも習いますからね。
「惑星のように自ら光らない星を照らしているのは太陽光なのか?」を確認してみることにしました(^^)
照らされた光を反射する訳ですから、
「照らされた光に無かった色は無いまま」ということになります。
「自ら光らない天体が太陽光を反射しているなら、その光には太陽光と同じ特徴が見られるはずだ」
分解した特徴のことを、光の「スペクトル」と言います。
「音」でいうと音楽を高音から低音の成分に分解して並べたようなイメージと同じで、
「光」の場合は「青から赤の虹色」になります。
太陽の表面温度は約6000℃あり、その”熱”だけで、青から赤まで滑らかにグラデーションになっているスペクトルが発生します。
白熱電球もフィラメントが2500℃ぐらいになることで熱だけで光っているんですよ。それと原理的には同じです。
太陽の表面には高温のガスが取り巻いています。熱で発生した光はそのガスによって特有の光の色が吸収され暗くなります。
「吸収線」と呼ばれます。
ここがポイントです!太陽という高温の環境で取り巻くガスによって、特徴的な吸収線を持つスペクトルになります。
その光が地球にも届くので、太陽を観測すると太陽のガスについて知ることができます。
今回、観測してみたのは木星の衛星4つです。!衛星はイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという名前で、4つでガリレオ衛星と呼ばれています。
惑星でも良かったのですが、ガリレオ衛星みたいなものでも本当に分かるのか?ということでチャレンジしてみました。
StarAnalyzer100という分光器を通して実際に撮影したものがこちらです。
ガリレオ衛星の光を十分に集めたため木星は眩しすぎて飽和しています。
視覚的に吸収線が見えやすいようにスペクトルの縦方向の幅を伸ばして並べ、完成しました。
確かに太陽光が当たってます!
木星までの距離は太陽と地球の間の約5倍もあります。
そんな遠くにある、しかも月かそれより大きいぐらいの天体に太陽の光が届いて、
反射して戻ってきた光を見ているというのは・・すごいですよね。
このようになります。
もしこの星に惑星や衛星があって観測したとすると、この星の光の特徴を持つことになります。
※注 ここでは説明を簡単にするために、太陽光は全てそのまま反射するかのように書きましたが、実際は惑星や衛星が持つガスによって異なる吸収線がさらに追加されたり、火星の表面のように青付近が少し吸収され比較的に赤が反射することもあります。それでも太陽の光の吸収線は残ります。
「Hβ」水素(複数あるα,β,γ・・のうちのβ)、「Mg」マグネシウム、「Fe」鉄、「Na」ナトリウムになります。